3月1日 予算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 まず、山本区長にお伺いします。
 資料1の款別予算額及び構成比率を見ると、今回の予算では、民生費56.8%の次に、土木費が9.4%、教育費が8.3%となっています。
 昨年は、土木費が9.3%、教育費が9.5%で、教育費のほうが多いです。
 実は、この資料にある過去10年間ずっと教育費が土木費より多かったわけです。予算配分は、それ自体がどのような分野を重視しているか、どのようなまちづくりをするのか示す重要なデータです。その意味で、山本区長は、土木費が教育費を逆転したことについて、どのようなご見解をお持ちでしょうか。

◎企画経営室長(岸川紀子君) 
 数字のほうを、先にお話しさせていただきます。
 割合のお話がございましたけれども、教育費8.3%ですが、こちらは平成29年度に教育委員会の事業の中で、スポーツの分野と文化の分野が区長部局に移っております。その部分が予算的に見ますと、約28億円となっていますので、それを合わせると、約10.7%になります。

◎区長(山本亨君) 
 所管が変わって、区長部局に移った分という意味での、今、説明ではあります。
 今年度で言いますと、構成比については、土木費、投資的事業の数字によって大きく影響していくのかなと思っておりまして、道路や橋梁の生活インフラの整備は、東武伊勢崎線の立体化、住宅市街地総合整備事業、そして北十間川・隅田公園観光回遊路整備事業といったまちづくりに、この1年間、土木費に計上しているという点と、逆に、教育費が、学校改築や耐震化、トイレの全校ドライ化、学校教育のICT化等の、今まで投資的事業をやってきたものが、大体整ってまいりまして、それから、来年度については、学校改築が終了したということで、今回の構成比としては、下がっているという形になっているという認識です。

◆委員(井上ノエミ君) 
 国であれ、自治体であれ、土木費が多いということは、土建国家、または土建中心、開発中心の自治体を示すと思います。
 それと、全く逆な方針を持っている自治体は、住民のことを考えて、福祉や教育に力を注ぐ住民主体の自治体です。
 今回の予算では、土木費が教育費を上回っていますから、多くの区民は、墨田区は、子どもの教育よりも土木事業中心の自治体を目指しているのではないかと危惧すると思います。
 山本区長のおっしゃっている、すみだの“夢”において、土木事業はどの程度重要なのかお伺いしたいと思います。

◎区長(山本亨君) 
 すみだの夢を実現する上では、土木費も教育費も含めて、全ての予算、これが大変重要であると考えております。
 土木費に関しましては、生活基盤を支える、その骨格部分を形成するということで、土木は土木で、また重要な予算でもあります。区民の皆さんの安全・安心を守り、快適に暮らせるまちというところも目指していくことが大事なことでありまして、必要な経費を計上させていただいたということです。
 いずれにしましても、すみだの“夢”実現に向けて、あらゆる施策を計画的に偏ることなく、しっかりと実施していくということですので、是非ご理解をお願いしたいと思います。

◆委員(井上ノエミ君) 
 山本区政の子育て支援や子どもの学力向上、学童クラブの増設などは評価できると思います。
 しかし、教育に関しては、まだまだやるべきことがたくさんあります。
 学校指導支援員も、各学校に3名ぐらいいれば、教員の負担軽減になると思います。学力サポートスタッフも、せめて2名ぐらいの増員。また、不登校児童対策、英語教育のためのALTの増員、外国人児童のための日本語教師の増員など、是非やっていただきたいと思います。
 十分な予算があれば、墨田区の教育は、さらにずっとよくなると思います。次回の予算編成は、まず十分な教育予算を確保した上で、予算編成を行うべきと考えますが、山本区長のご見解を伺います。

◎区長(山本亨君) 
 将来の墨田区をしっかりと担ってもらえる人材、それから、夢と希望を持って、生きる力を身に付けてほしいと、そういう子どもたちをしっかりと育成していくという観点から、教育に力を入れていくことは、私自身も大変重要であると思っております。
 今まで、さまざまな教育施策に係る予算を計上し、しっかりと教育委員会で頑張っていただいているということですが、今、ご指摘をいただいたような、それぞれの中で人を配置することも含めて、これは大変課題があると感じたところでございます。
 今後も、しっかり教育委員会と連携をして、必要な予算はしっかりと計上して、教育環境の向上、子どもたちの育成に努めていきたいと思っております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、トリフォニーホールの改修事業について、山本区長にお伺いします。
 数年前に、私の住んでいるマンションで、大規模な改修工事がありました。私の部屋のベランダの床は、全く新品同様でしたが、全て新品に交換しました。大変な無駄だと思い、建築家の友人に聞くと、そうやって事業者がもうけるのだと言われました。
 民間では、これが現実ですが、役所が実施する公共事業ではどうでしょうか。11月の定例会の区長のご答弁で、見積もりは30億円を超える可能性があるとの答弁でした。見積もりが高ければ、業者はもうかります。区役所の方も、自分のお金を出すわけではありませんから、誰も損はしません。損をするのは、税金を払う区民だけです。
 そこで、お伺いしますが、トリフォニーホールの改修は、一体誰が見積もりをしているのでしょうか。
 また、今回は、本当に必要な工事だけやって、すぐやる必要のない工事は先に延期すれば、工事費は抑えられると思いますが、いかがでしょうか。山本区長にお伺いします。

◎区長(山本亨君) 
 すみだトリフォニーホールの修繕に当たりましては、墨田区文化振興財団が、建物や設備等の劣化状況を文化振興財団が、今、診断をし、修繕に必要な個所の洗い出しを行っているところです。
 その上で、大規模修繕に必要となる予算については、これは本会議の答弁でも、少しさせていただきましたが、来年度委託予定のコンストラクションマネジメントにおいて、これまでの診断結果をもとに、必要性の高い修繕箇所や、音響、照明等、劣化が激しく更新が必要な設備について、概算の額の算定を行っていきたいと考えています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 一般に、建物を建てるとき、予算がないときには、グレードを落とせば、より安い費用で建物は建てられます。多少は安っぽくなります。しかし、お金がなければ仕方ありません。トリフォニーホールの改修に関しては、グレードを落とせば安くできると思います。カーペットを最高のカーペットにするか、安物にするか、値段は相当違います。もちろん、音響の問題がありますが、墨田区はお金がないのですから、多少の音質は目をつぶる必要があると思います。
 そこで、山本区長にお伺いします。
 今回の見積もりについて、グレードを落としてコストを削減することを考えているのか。それとも、建築時と同様の最高グレードの改修を考えているのか、どちらでしょうか。山本区長のご見解をお伺いします。

◎区長(山本亨君) 
 ご指摘いただいたカーペットや床、壁等の内装については、先ほども少し答弁しましたが、劣化が激しくないということから、今回の、この大規模修繕での更新の予定は、現状においてはないと聞いているところです。
 修繕に当たりましては、これは新築時の性能を維持することを前提として、多少の音質には目をつぶるべきだというようなご指摘もありましたけれども、これはもう、前提条件の中で、音楽ホールとしての質をしっかりと保ちながら、可能な範囲でコスト削減には努めていきたいと思います。

◆委員(井上ノエミ君) 
 最後に、観光振興について山本区長にお伺いします。
 最近、観光で注目されているのは、ナイトタイムエコノミーです。このナイトタイムエコノミーでは、外国人観光客の夜の消費を増やすことが重要なインバウンド対策になります。
 外国人観光客から、日本は夜のイベントが少なくて、あまりやることがなく、退屈するという意見があります。観光客は暇ですから、夜でもどこかで遊びたい。しかし、日本では、飲食店ぐらいしか、夜は開いていません。ロンドンでは、劇場なども夜の8時から始まり、美術館なども夜も開いています。
 款別質疑のときに、トリフォニーホールをもっと観光のインバウンドのために売り込むべきという質問をしました。そのためには、コンサートの開始時間を遅くするなど、外国人観光客が来やすい条件を整える必要があります。
 また、北斎美術館も、金曜日は閉館時間を午後8時にするなどの対策が必要だと思います。インバウンド対策は、墨田区文化振興財団と墨田区観光協会が連携する必要があります。結果を出すには、区長のリーダーシップがないと、なかなか難しいと思います。是非、区長のリーダーシップにより、すみだのナイトタイムエコノミー計画を作成して、実施していただきたいと思いますが、ご見解を伺います。

◎区長(山本亨君) 
 トリフォニーホールでは、夜間、コンサートというのも、今、行っておりますので、外国人観光客にも、改めて、周知をしていくことも必要であると思っています。
 また、北斎美術館についても、不特定多数の方々を対象とした、一般的な夜間延長というだけの対応ではなくて、団体利用など、需要がある場合に、個別に対応するほうが効果的でもあるのかなということも、今、考えているところです。
 区としても、観光協会や文化振興財団とも連携して、この文化施設の状況に応じた外国人観光客の夜間利用を考えていきたいと思っています。
 それから、ナイトタイムエコノミー対策の計画をつくったらどうかというお話ですと、今、ちょうど観光振興プランの見直しをやるところですので、是非、夜の墨田区のお客様に楽しんでいただける、そういうことも検討を進めていきたいと思います。

○委員長(沖山仁君) 
 以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。